新型コロナに伴う事業の悪化が進んでいる中、新聞販売店ももちろん例外ではありません。新聞の発行部数が年々とてつもない勢いで減っている中、それを後押しするかのように新型コロナウィルスの影響で新聞販売店の経営が悪化しています。
新聞販売店は新聞代と広告費(チラシなどの折り込み収入)などが主な収入源ですが、この広告費(チラシ)が非常事態宣言などに伴いとんでもない勢いで減ってしまったのです。
現在、折り込み収入は都市部で70〜80%減、地方都市で50%減、田舎で20%減という情報もありますが、新聞販売店の多くはこの広告費というのが収入の大半の部分をになっており、この折り込み収入が大きく減少しているため経営悪化に歯止めがきかない状態となっているわけです。
この記事はこんな人におすすめ
✅ 新聞販売店が新型コロナで経営悪化した理由が知りたい
✅ 新型コロナの影響で新聞購読者へどのような影響があったか生の声が知りたい方
✅ 新聞販売店が経営再建をするにはどうしたら良いか困っている方
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目次
新聞販売店が新型コロナの影響を受けた理由
元々、日本の新聞離れが加速していたこともありますが、今回の新型コロナの影響を大きく受けた理由として『広告費の減少』などがあげられます。
冒頭で申し上げた通り、新聞販売店は広告費からの収入が大半を締めるためその経営の根幹というべき部分が大きく打撃を受けている状態です。加えてこの広告費へ大きく影響を及ぼすキッカケとなったのが安倍総理が2020年4月7日に発令した『緊急事態宣言です』。
緊急事態宣言の発令に伴い各世帯への外出自粛および事業者への営業自粛などが求められたため、日本全体で人の活動が著しく減少。それに伴い今まで広告費などを投入していた、事業者などが経費削減などを理由に広告費への資金投入などを制限しています。
また感染リスクなどがあるとして、東京都の小池知事がメディアを通して訴えた『3密の徹底』などにより、スーパーなどの混雑を防止すると言った観点から新聞などへの折り込みチラシが減少したという理由もあげられます。
新聞販売店です。ただでさえ新聞離れで経営が苦しかったのに、今回のコロナの影響で折込チラシが入らなくなり広告収入激減です。潰れる店舗が出てきてもおかしくない状況です。
— 渡辺新聞店(福島県矢吹町) (@nabeshinb) April 29, 2020

しかしもう1つ大きな問題があります。それは新聞社からの押し紙という問題です。
新聞業界の方のコメント
新聞業界に勤める者です。
質問者様のおっしゃる通り非常に厳しい現状です。
地域的に若干の違いはありますが、コロナの影響で折り込みチラシは約40%の減です。
旅行、パチンコは全くなくなり、スーパー関係も3割の落ち込み、通販までありません。
集金等の訪問もままならず、折り込みチラシが減ると読者も減ってきてます。
そんな中、発行本社は新聞を切ってくれず押し紙は減りません。
従業員さんの給与、発行本社ヘの送金をすると、経営者は自分の給与は取れない状態です。
確かに廃業を申し入れる販売店は多いです。
その上申し入れても、次の経営者が見つかるまで辞めれないのが販売店の実状です。
辞めたくとも辞めさしてもらえない。
次に受ける経営者等当然いませんし、本社直営店にするにも本社の社員がいません。
これが今の新聞販売店の実状です。
経営者の中には、当然貯金崩したり、生命保険解約したりして、本社納金や従業員の給与を払ってます。
引用:Yahoo知恵袋
押し紙というのは、言い方を選ばなければ『新聞社が新聞販売店に無理やり買わせている新聞』です。つまり新聞販売店から実際に購読している読者数よりも多く新聞販売店は新聞社から新聞を買わされています。
元々、この押し紙がこの時代にマッチしてないのは新聞販売店に務める方なら周知の事実であると思いますが、新型コロナで広告収入が大きく減った販売店にはかなりの痛手です。
しかもこの押し紙を新聞社は減らすどころか切ってくれない!という自体に陥っており、新聞販売店の経営は更に悪化一途を辿っています。
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海外でも新聞販売店が新型コロナウィルスの影響を受けている
引用:https://ironna.jp/article/4566
新型コロナウィルスは、欧米の新聞業界にも大きな影響を与えています。
外出規制などの影響で多くの新聞販売店が閉店に追い込まれたりニューススタンド(即売:コンビニや自販機)での販売が低迷しているためです。
関連リンク:新型コロナで欧米の新聞業界に大打撃
外国と比べると日本ほど紙の新聞の普及率が高いのは珍しいと思いますが、日本は海外と比べると宅配の新聞の割合がとても高い国です。しかしこのコロナの影響で全世界で新聞の売り上げが減少。それは日本だけでなく海外も同じなんです。
海外では店頭販売や自販機などの販売が多いためか、外出規制などにともない日本より壊滅的な打撃を受けているようですね。
販売の仕方に違いはありますが、他人事ではないこのニュース。まだ宅配でキチンと各家庭に新聞を届けると言った方法をとっている日本の新聞販売店はいささかマシなような気もしないことはありませんが、油断は禁物です。
新聞販売店だけではない!コロナの影響で水際で起こる新聞購読者への変化
ここからは新聞販売店で実際に働いている私が、新型コロナウィルスで読者にどのような変化があったか書いていこうと思います。
様々なことがあり全ては書ききれませんが、昔朝日新聞が慰安婦問題で読者が目減りしたことはまだ記憶に新しいことと思います。似たような現象が多少起こっていると思っており、いわゆる新型コロナウィルスを理由に新聞購読を止めてしまう読者が一定数いるということです。
つまり、新聞を止めようと思っていたけどタイミングが分からなかったという人が、この新型コロナウィルスの感染拡大を理由に新聞を止めてしまっているのです。
実際にお客様の反応などを見聞きしていると詳しく理由は話さないけど、よくある理由を並べて止めていく方もいたように感じます。
また新聞販売店が読者へのお願いという形で、行っているキャッシュレス化への反発もあります。
新聞販売店がキャッシュレス化を勧める背景には、新型コロナの影響で従業員および読者を守るためとして極力人と人との接触を避ける形で購読料を回収を行いたいからです。
しかし新聞購読者の約7割は高齢者です。いわゆるキャッシュレス化への抵抗を示される方が非常に多いのが実情であり、不慣れなだけでなく手続き自体がめんどくさいという方がとても多いです。
『そんなことするなら私は新聞を止める!』という方もかなりおります。
引用:https://www.omo-ad.co.jp/flyer.php
最後に一部の方から聞いたことですが、チラシが少ないことに不満を漏らしている方もいるようです。
こう言った状況なのでしょうがないのですが、専業主婦をしている方などからいつもチラシを見て献立を決めているから無いと困るという意見や、生活費の節約などから新聞に入るチラシを活用しているのでスーパーなどのチラシが入らなくて困っているという人もいました。
新聞販売店は新型コロナの影響を打破できるのか?経営再建の鍵とは?
ここまでザッとですが大まかに新型コロナウィルスが新聞販売店へどう言った影響をもたらしているのかを書いてきました。
その上で新聞販売店が今後経営再建などを行っていけるのか?について少しお話ししていこうと思います。
正直に言うと、新聞販売業だけでは限りなく経営再建をはかるのは無理に近いと思っています。理由として新聞販売店は元々あるビジネスモデル(プラットフォーム)に依存し過ぎてしまっていると言うこと。
折り込みチラシと言う収入源が脅かされてきたのは今に始まったことではありませんが、新聞販売店はそれに変わる新しい価値を想像しようと行動してこなかったことが最大の落ち度であると思います。
容易に予測ができていたことなはずなのに、行動するのが遅過ぎたんです。
分かっていたのに行動しなかったのではなく、そう言う人は分かっていても行動しないと思うんですよね。
ですがもう起こってしまったことを嘆いていてもしょがないです。新聞販売店に従事する人の多くはサラリーマンで、いわゆる自分で新しいサービスや商品を作って売るといったビジネスマン的な思考を持つ人はとても少ないです。私が思うに所長や店長と言った人でもこの事実に気づいていない人も多いと思います。
こう言う話しを他の従業員とすると、『俺は営業で稼いでいるから違う!』と言う人がたまにいますが、私が言っているのは営業サラリーマンではありません。そもそも営業って商品がある前提の話しなので、自分で新しい価値を生み出すって部分が抜けている場合の方が多いんですよね。
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MIKAWAYA21と言う会社で『まごこころサポート』などを通じて、新聞販売店をサポートする事業を行っている『青木義哉さん』という方がいます。
青木さんがこの間ツイートした内容がこちら↓
新聞業界は頭でっかちで、プライドが高く、行動・交際範囲が小さい人の割合がすごく高い。とっくに衰退しているのに、遅々として新しいビジネスモデルへの挑戦が出来なかった。コロナショックで紙面広告(新聞社)と折込チラシ(販売店)が壊滅的になり、完全に業界のビジネスモデルが崩壊した。
— AokiYoshiya (@YoshiyaAoki) April 20, 2020
あぶく銭ともいえる、広告費に新聞社も販売店も浮かれ、読者に目を向けてこなかった代償は大き過ぎる。コロナショックになっても読者がいてくださるのは、顧客ゼロ状態に直面する飲食業や観光業と比べると何倍も恵まれているはずなのに、読者への新たな付加価値を全く創造してこなかったので打ち手無し
— AokiYoshiya (@YoshiyaAoki) April 20, 2020
結論。販売店は「まごころサポート」もしくはまごころサポート的な事業を取り入れ、社会性を高める。コロナ時代はシニアの「ちょっと困った」が激増するのだから活躍のチャンス。新聞社は販売会社をつくり、お手上げの販売店を吸収し、新聞社社員に配達をしてもらう。出来ればまごころサポートも。
— AokiYoshiya (@YoshiyaAoki) April 20, 2020
サラッと自分が行っている事業の売り込みをしているところが面白い!と思ったのですが、ツイートしている内容はかなり的を付いていると思っています。
私自身は、この方をある本で知ったのがキッカケですが、将来性のある事業でありとても良いサービスだと思います。
青木さんが書いた本がこちら↓
私はこのサービスが正解かと言うとそうではないと思います。これは青木さんにとっての正解であり、私の正解ではないと言うこと。
営業の世界でもこのやり方が正解ではないと言うように、ビジネスでも同じです。自分自身が試行錯誤して得られた結果がその人にとっての正解だと思います。新しい価値を生み出すことに、これって言う正解はないと思うんでよね。ただ限りなく再現性は高く、時代にもマッチしていて良質なサービスだと思います。
結論、新聞販売店は既存のビジネスモデルはある程度維持し、新しいサービスや商品を打ち出していくべきだと思います。
人を雇うにしても、新聞を買うにも、お店を維持するのに沢山のお金がかかってきます。お金がなければ何もできないんです!
新聞社は助けてくれません。
現状を打破したいなら、とにかく行動すべし!失敗を遅れていては何もできません。いらないプライドは捨てましょう。
